鬼才と言うより奇才なのかも知れない。
　私はこれまで世の中を穿って見ていたわけではないが、今でもなんだか現代社会の物質拝金主義には馴染めない。
　貧乏だから僻んでいるのだと思われるだろうが私自身は微塵も貧乏だと感じたことは無い。たしかにお金に困窮している現実は直言を待つことなく貧乏な生活者の仲間と自分でも認識出ているが巷の貧困家庭の貧乏ともかなり様相が違っている。まず、これまでの長い人生において飢えに苦しんだことが無い。多少の空腹感で辛い事もあったがそれは多忙であったり状況的に食物摂取が不可能であったために生じた空腹感だった。真実の貧困・困窮者の飢餓感とは飢餓感が桁違いに違ってるだろうから貧困の度合いもその方々と比べると相当に問題外なほど困窮にさいなまれた経験は無い。したがって、私は常に裕福で幸福感を欠如したことは時間的に時期的に信じられないほど短時間期間で辛苦を脱してしまっている。別に、この生き方が特技ではないが生まれついての性格が功を奏したというべきだろう。

　性格がおっとりとのほほんとしているので窮地を感じないし行き当たりばったり・・・「どうにかなるだろう」的な沖縄で言うテェーゲエェーな奴である。しかし、口だけは達者で身なり風情がすこぶる劣悪な貧乏人風体なくせに大志をひけらかして大ボラを吹聴するから私を見て周囲の人たちは直感的に私を避けて通る。なかなか人間という者は言葉と実がどこでかみ合っているのかを見分けることはとても難儀らしい。だからという訳ではないが長い人生で私の理解者も極少。片手で足りるほどの理解者しか現存していないことに自分自身で呆れるほどだ。
　が、人間界は楽しい・・・こんな私にも春らしき恋の時代も巡ってきたし楽しい家庭的な生活も若干だが経験している。そのアットホームな人生経験は私の内面的な成長に大きく関っている。可愛い娘や孫たちとの貧しくも愉しい生活の中で培った幸福感が今の私を支えてくれていると確信的に断言する。　こんな生来の貧乏性を究極の幸福感と結びつけてこの極少な幸福感に酔う現代社会の異端者が大それた生涯の一大テーマを貫き通して今手の届くところまで達成マジカなのはやはりその思想や哲学が人間社会の本筋から外れてはいない証だと自己弁護できる。人生とはどこまで上り詰めたかではなく。どのように生き様を貫いたかだと言う事を朝敏はいつも私に言い聞かせてくれていたからここまで歩み続けているのだろう。最後まで到達することが無くともこの仕事を遺すことが出来る満足感はすでに持っている。だから志半ばという今の状況でも万一に潰えたとしても何も悔いを遺す事などはない。途中まで歩き始めたという事実は後世が認めてくれるのだから・・・。何事も中庸であればそれが一番最善である。人間の生涯とはどこまでも走り続けようと終点などは見当たりはしないのだから・・・。

▲とじる

　なお、このサイトに使用している左三つ巴の家紋は東屋敷平仁の我が芳賀家の先祖代々千年以上の伝統を持って伝えられている家紋である。奇しくも琉球王国の尚家の家紋と同じであることが私の琉球への興味を増大させている。この家紋から推測して推理すれば尚家のルーツが見えてくる。私は未だ尚家の発祥の地伊是名島へは足を踏み入れてはいないが天孫降臨の伝説やグスク(城)やガー(井泉)の信仰の対象を重ね合わせると九州の宇都宮家の流れを汲む城井家(きいけ)が一番近い先祖ではないかと考えている。宇都宮家も九州宇都宮家の流れの城井家も左三つ巴の「ひじゃいぐもん」である。

▲とじる